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ジェンダー論

なぜ陸上競技で女性のユニフォームはハイレグなのか

投稿日:2022年12月20日 更新日:

(20221220追記:再読すると、我ながら気持ち悪さを感じる。どこか認知の歪みが表出しているような。)

レーシングショーツ、レーシングブルマ、ハイレグ、ユニフォームについて。

youtubeで以下の動画を見た。

陸上 女子七種競技 走幅跳 T&F Women’s Heptathlon Long Jump YouTube https://youtu.be/jMnWJAUNPd8

https://www.youtube.com/@japaneseathletevideos4044

 当該動画や当該動画をアップロードしているチャンネルでは、女子陸上選手の動画が挙げられているが、カメラアングルからは性的な意図を感じた。また、そのようなカメラアングルを抜きにしても、その動画を見ているときに、女性競技者に対して性的魅力を感じている自分が在った(ここでは、敢えてこう表現したが、このように内心を表明することの「悪」については後述する)。

 昨今、女性競技者に対する性的な目線については問題視されているが、この動画を見る限り、そのユニフォームは、「徒らに性欲を興奮又は刺戟せしめ」るような機能を有するように思える。

では、なぜ女性競技者のユニフォームは、斯様な形になっているのか

先ず“セパレート型”ユニフォームについては、パフォーマンス向上が目的であると説明されているものが多かった(女子陸上選手はなぜ“セパレート型”ユニフォームを着る? 努力を踏みにじる「性的画像撮影」の卑劣さ – 陸上 – Number Web – ナンバーhttps://number.bunshun.jp/articles/-/846814)

しかし、何故ハイレグである必要があるのかについての説明は管見の限り見当たらなかった(yahoo知恵袋では股関節の可動性について言及するものもあったが)。(https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11232529681)

ここで、ユニフォームがハイレグであることが、パフォーマンスの向上のためであると仮定すると、何故男性競技者のユニフォームがハイレグでないのかという疑問も浮かぶ。

日本陸上競技連盟競技規則では、TR5の5.1において、「競技者は清潔で、不快に思われないようにデザインされ仕立てられた服装を着用しなければならない。その布地は濡れても透き通らないものでなければならない。また、審判員の判定を妨げるような服装を着用してはならない。」と規定されているが、https://www.jaaf.or.jp/pdf/about/rule/2022/chap2_p265-275.pdf、男性がハイレグを履くと「不快に思われる」といえるか否か。確かに、ユニフォームも服装に対する一般的な社会通念の影響下にあるであろうから、ジェンダーバイアスの支配下にあり、女性競技者には「女性的」なユニフォームが着せられ、その「女性的」という観念の中に、「ハイレグ」という要素があるのかもしれない

また、「もっと端的に言えば、男性視聴者にアピールすることで競技への関心を高め、その結果、スポンサーやテレビの放映権料を獲得したいといった狙いが透けて見える。歴史的にみれば、スポーツのユニフォームはこうした商業的な背景を反映しているケースが少なくない」と指摘するものもある。(https://president.jp/articles/-/48470)
男性的な性的欲望の動機が、「ハイレグ」の採用過程に混入している可能性はどの程度あるのであろうか。

私が思うに、「ハイレグ女子を見たい」という男性的な性的欲望が混入している可能性よりも、「女性がハイレグを履いているのは普通だが、男性がハイレグを履くのはおかしい」というようなジェンダーバイアス的な社会通念が影響している可能性の方が高いのではないか。たとえば、男性がハイレグを履くのが一般的な並行世界においては、男性陸上競技者のユニフォームもハイレグになっていた可能性があるのではないか。
そう考えると、男性的な性的欲望によってハイレグが採用されているわけでないのだから問題ないともいえそうである。しかしここで、そもそも「ハイレグ」そのものが男性的な性的欲望の産物ではないかという問いも生じる。どうだろうか。また、「女性的美しさ(性的魅力を含む)」を強調するためにハイレグが流行った可能性もありそうだ。丸みを帯びた腰を強調するわけである。ここでは、男性的な目線と女性的な目線が混在している。
もし仮に、「女性的美しさ(性的魅力を含む)」を強調するためのハイレグ、が(ジェンダーバイアス的社会通念の影響によって)競技用ユニフォームに持ち込まれたとするのであれば、そこに男性が「女性的美しさ(性的魅力を含む)」を見出すのは当然のことではないだろうか。そして、翻ってハイレグが”「女性的美しさ(性的魅力を含む)」を強調するため”という目的を持つものではなかったとしても、機能としてはハイレグは”「女性的美しさ(性的魅力を含む)」を強調する”機能を持っているように思うので、そこに男性が「女性的美しさ(性的魅力を含む)」を見出すのは当然のことではないだろうか。

では、そのような”「女性的美しさ(性的魅力を含む)」を強調する機能を持っているハイレグ”を着衣する女性競技者を男性が性的な目線で見るのは「悪」なのか。まず、上記のような機能をハイレグが有している以上、”男性が性欲を惹起する”のは”しょうがない”ことではあろう。これは、町ゆく露出度の高い服を着た女性を男性が目撃したときに、”男性が性欲を惹起する”のは”しょうがない”ということとパラレルに考えられると思う。そこでは女性の意図は無関係である。

もっとも、そのような性欲の惹起を表明することはしてはいけないように思う。何故なら、性的魅力を誇示するつもりなく競技に真摯に向き合う女性競技者の感情を害するからである。

そうなると、男性は、内心では性欲の惹起されながら、それを表明することは許されない(性欲が惹起されていないと振る舞わなければいけない)という状況になる。この状況をどう評価すれば良いのであろうか。この点については、さらなる検討が必要であろう。

まとめ

さて、女性競技者のユニフォームについて、特にハイレグについて疑問が浮かんだので、覚書程度に記した。なにも解決に至っていないが、疑問点は多少明らかになったようにも思う。切りは悪いがとりあえずはここで筆を置くことにする。


-ジェンダー論
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執筆者:


  1. 匿名 より:

    新型衣装と目指したパリ 露出少なめ、盗撮防止へ選手考案:朝日新聞デジタル
    https://digital.asahi.com/articles/DA3S15941365.html

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