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「毎自作是念/念を作さく」———法華経と「作さく」とク語法について

「毎自作是念/念をさく」———法華経と「さく」とク語法について

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法華経の如来寿量品第十六の自我偈の最後から四句目に「毎自作是念」という句がある1。『実修妙法蓮華経: 法華経全二十八品読誦』(延暦寺学問所 協力 清水 宗純 読誦) 392頁による読み下しは以下のようになっている。

・「つねみずかねんさく」

さて、この「さく」という語は法華経の他の箇所にも登場するし、他のバージョンの読み下しでも同様に「さく」と読み下されていることは少なくなかった。
しかし、「さく」という語についてその品詞構造が理解できなかったので調べた。

インターネットで調べると、どうやらこれは「ク語法」という語法で、接尾語「く」に「作す」が未然形接続したものであるようである2。品詞分解は以下のようになる。

  • さ:動詞「作す」(サ行四段活用)の未然形
  • く:接尾語「く」←四段ラ変活用では未然形接続3



以上。





脚注

  1. 隆文館株式会社 編『妙法蓮華経』,隆文館,大正9, 151頁. 国立国会図書館デジタルコレクション, コマ番号80 https://dl.ndl.go.jp/pid/963233/1/80 (参照 2025-02-08) ↩︎
  2. ①宗教意外なクイズ1 http://hougoujuji.life.coocan.jp/quiz1.htm
    ②曰く(のたまわく)は連語ですか? – ネットで調べたらのたまわくのたまはく【曰… – Yahoo!知恵袋 https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14212656809 
    ③ク語法 – Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E8%AA%9E%E6%B3%95 ↩︎
  3. ク語法 – Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E8%AA%9E%E6%B3%95 ↩︎

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