Affirmative Action, Radical feminism, Population
(English Article→[i])
【全編配信】正規・非正規、賃金格差…地方から女性が「消えていた」 背景に根深い“男尊女卑的な価値観” ジェンダーギャップ|女性がすーっと消えるまち〈カンテレ・ドキュメンタリー〉 – YouTube https://www.youtube.com/watch?v=e-Iiv2Gc2wA
私は、アファーマティブアクション(AA)1等で煽りすぎると、アメリカのようにバックラッシュを生むからやめろというラディカルフェミニズムは、具体策を欠き空想的だと批判的にみていたが、しかし、思えば、時間が経てば年寄りが死に、価値観はアップデートされていくので、それを辛抱強く待ち、対立を煽らないように最善と思われるジェンダー論を丁寧に解いていく、という方策もそれほど悪くないのかもしれない。しかし、それだと改革が遅くなる可能性もある。アメリカのアファーマティブアクションは今では反省すべき過去として参照されることも多いが、しかし形式的な社会参画の男女比是正というのを先ず達成するという作戦の一部としては、大きくそして迅速な働きをしたといっていいと思う2 3。もっとも、日本では、それほど大きなAA等の制度を用いずとも、進学率の男女比は狭まってきている。こうした下からの変化を待つというのが、正しい姿勢かもしれない。アメリカはトランプ政権で後戻りを目撃するかもしれない。5年後10年後にアメリカと日本のジェンダー観を比較してどうなるだろうか。うさぎと亀の競争のようになるか。それから個人的には人口問題との折り合いも気になる。私は人口管理的な政策は議論されるべきだと思うし4、急激な人口減少は苛烈な負担を生じさせるだろう。国民の家族観やジェンダー観がどのような人口動態を起結するのか。また、最近まで私は同性愛者の相対的増加は、その数が少ないので影響は小さく、人口減少とは無関係だという見方をしていたが、しかし、タイでは性的少数者の層を見据えた対策等もされてきているようだ5。
社会のジェンダー観の変革については、ラディカルフェミニズムのように、どっしり構えて長い目で見ていけば世代交代とともに解決していく問題だろう。しかし、私は女性解放によって、少子高齢化等も解決していくというような楽観視は合理的ではないと考える。実際、女性教育と出生率の連関は国際機関によっても認められており、人口抑制には女子教育が用いられていたりもする6。
しかし、尤も、人口問題は、より豊かに人間が生きるのはどうすればいいかという問題であるから、哲学的転換によって、例えば反出生主義に忠実になるなど?すれば、より豊かに人間が生きるなどという目的設定自体が廃棄されるようになるかもしれない。
(20250115_01:25) <<<<最近日本の研究者により発表されたAA批判の論文紹介。
①・・・・・NENENENE@研究 on X: “東大教授が女子枠批判の学術論文を出版!!! 著者は理系出身の横山教授。ジェンダー学ではなく理系研究者、しかも国際誌での批判。。。色々と示唆があります。重要文献確定です。 >女子枠ではなく意識改革が重要で望ましい >女子枠はSTEM分野における女性の地位に悪影響を及ぼす可能性がある https://t.co/Ls1zhPa4qU” / X(https://x.com/SUKANEKI_STI/status/1878682084937719808)
②・・・・・Full article: Can affirmative action overcome STEM gender inequality in Japan? Expectations and concerns(https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/13602381.2024.2320547#d1e329)
③・・・・・NENENENE@研究 on X: “@pichikyo 大学入学者選抜における割当制が施策としての妥当性に欠けることは欧米では四半世紀前に決着がついている話であり、一通り把握しているつもりです。 >STEM分野における性別を限定した教育プログラムの国際動向:米国事例の予備的調査 https://t.co/7wB81KQIhL” / X(https://x.com/SUKANEKI_STI/status/1878993968257724896)
④・・・・・STEM分野における性別を限定した教育プログラムの国際動向:米国事例の予備的調査 http://id.nii.ac.jp/1001/00241441/ >>>>
(20250115_01:50) <<<<アファーマティブアクション(AA)巡る議論など、ジェンダー論フェミニズムは、やっていても意味がないような虚しい気持ちになってくる。そもそもAAが正しいかどうかなどは確定的に定まるわけではなく、例えば明日の議論で国民意識がどう傾くかというような不確定な要素によって、その方策の当不当が流動的に変化するものである。いわば、その方策の正しさを検証しているように見える議論そのものが、アジテーションとして条件をどんどん変えていってしまうという複雑な議論の構造になっている。他の論争、例えば風呂トイレ問題もそうだ。ジェンダー論やフェミニズムが社会意識についての議論であることから、それは当然にも思える。東浩紀が『訂正可能性の哲学』で言ったように、斯様なトピックについては、不断の議論が行われ、互いに訂正し合っていくのが正しい対処であろうし、逆に言えばそれしか対処のしようがない。したがって喧騒としての議論をすること自体は歓迎されるべきことなのだが、しかし、「私」の時間をこんなことに使っていていいのだろうかという疑問はおさまらない。しかし、ジェンダー論フェミニズムというのは、体に悪いファストフードのようなもので、悪いと分かっていながらもなかなか癖になってやめられないところがある。劣情が刺激されたり、エキサイティングで楽しいのだろう。ただ、もうこの終わらない旅に付き合っていくのはやめた方がいいかもしれない。少なくとも、早い段階である程度この底なし沼に触れられたことは良かったのだろう。ジェンダー的な話題にはついていけるようにはなったし、理論的なことも頭に入っていなければ、何が議論されているのかも理解できないであろうから。しかし、もっと距離をとった方がいいかもしれない。もっと有意義な時間の使い方があるように思う。これを続けても何にもならないような気がする。これからは意識的に距離をとろう。>>>>
脚注
- アファーマティブアクションの正当性 | blog rin life https://blog-rin-life.com/%e3%82%a2%e3%83%95%e3%82%a1%e3%83%bc%e3%83%9e%e3%83%86%e3%82%a3%e3%83%96%e3%82%a2%e3%82%af%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%b3%e3%81%ae%e6%ad%a3%e5%bd%93%e6%80%a7/ ↩︎
- 「女子学生数は1950年代から一貫して増加し続け、1979年には男子を上回ったが(50.9%)、女子学生の比率は2005年の57.4%で高止まりとなっており、そのことが新たな議論を引き起こした。」 (吉田翔太郎. (2022). アメリカ女子高等教育の拡大に関する考察 Gender Balancing に関する議論に着目して. 教育学研究, 89(4), 683-691.) (https://jstage.jst.go.jp/article/kyoiku/89/4/89_683/_pdf… ) NCES Digest of Education Statistics Table 303. 10. Total fall enrollment in degree-granting postsecondary institutions, by at-tendance status, sex of student, and control of institution: Selected years, 1947 through 2030〈https://nces.ed.gov/programs/digest/d21/tables/dt21_303.10.asp…〉https://x.com/ri70402631/status/1837679413569507620 ↩︎
- この本も参考のこと。(『アファーマティブ・アクション-平等への切り札か、逆差別か』 (中公新書 2811) 南川文里) ↩︎
- しかし、以下のような視点も忘れてなはならない。人口抑制政策の実態:インド | GNV (https://globalnewsview.org/archives/19742#)、(https://x.com/ri70402631/status/1612071414974279680 ) ↩︎
- (タイ政府、出生率回復に向け本腰-ひとり親やLGBTQを支援 – Bloomberg https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-02-14/S8U085T1UM0W00 ) ↩︎
- Sustainability and depopulation: What drives toward antinatalism – YouTube (https://www.youtube.com/watch?v=zy3apkkEcmU) ↩︎
English Article
[i] I used to critically view the stance of radical feminism that warns against excessive promotion of affirmative action (AA)(*1), which argue that it could lead to backlash like in the United States. I thought it lacked concrete measures and was overly idealistic. However, in retrospect, waiting patiently for societal values to be updated as older generations pass away, and carefully advocating for the most reasonable gender theories without provoking conflict, might not be such a bad approach. Still, this method might slow down reforms.
While affirmative action in the U.S. is often cited as a past mistake today, it played a significant and swift role as part of the strategy to achieve gender parity in formal societal participation(*2)(*3). That said, in Japan, even without such extensive AA systems, the gender gap in education enrollment rates is narrowing. Perhaps waiting for these bottom-up changes is the correct approach. The U.S. might experience regression under administrations like Trump’s. How will the perspectives on gender in the U.S. and Japan compare five or ten years from now? It could resemble the race between “the hare and the tortoise”.
Personally, I am also concerned about how to balance these issues with population dynamics. I believe population control policies should be discussed(*4), as a sharp population decline could impose severe burdens. How will national perceptions of family and gender impact demographic trends? Until recently, I thought the relative increase in homosexual populations had little impact on population decline due to their small numbers. However, it seems Thailand has implemented measures that consider sexual minorities(*5).
When it comes to transforming societal views on gender, adopting a long-term perspective like radical feminism suggests might eventually solve the issues with generational shifts. Nevertheless, I do not find it rational to optimistically believe that women’s liberation alone will resolve issues like low birth rates and an aging population. In fact, the correlation between women’s education and birth rates is recognized by international organizations, and female education has been used as a means of population control(*6).
However, ultimately, the population issue revolves around how to enable richer human lives. A philosophical shift—such as adhering to antinatalism—might even lead to the abandonment of the goal of achieving richer human lives altogether.
- アファーマティブアクションの正当性 | blog rin life https://blog-rin-life.com/%e3%82%a2%e3%83%95%e3%82%a1%e3%83%bc%e3%83%9e%e3%83%86%e3%82%a3%e3%83%96%e3%82%a2%e3%82%af%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%b3%e3%81%ae%e6%ad%a3%e5%bd%93%e6%80%a7/ ↩︎
- 「女子学生数は1950年代から一貫して増加し続け、1979年には男子を上回ったが(50.9%)、女子学生の比率は2005年の57.4%で高止まりとなっており、そのことが新たな議論を引き起こした。」 (吉田翔太郎. (2022). アメリカ女子高等教育の拡大に関する考察 Gender Balancing に関する議論に着目して. 教育学研究, 89(4), 683-691.) (https://jstage.jst.go.jp/article/kyoiku/89/4/89_683/_pdf… ) NCES Digest of Education Statistics Table 303. 10. Total fall enrollment in degree-granting postsecondary institutions, by at-tendance status, sex of student, and control of institution: Selected years, 1947 through 2030〈https://nces.ed.gov/programs/digest/d21/tables/dt21_303.10.asp…〉https://x.com/ri70402631/status/1837679413569507620 ↩︎
- Use this book as a reference。(『アファーマティブ・アクション-平等への切り札か、逆差別か』 (中公新書 2811) 南川文里) ↩︎
- But do not forget those aspect below。人口抑制政策の実態:インド | GNV (https://globalnewsview.org/archives/19742#)、(https://x.com/ri70402631/status/1612071414974279680 ) ↩︎
- (タイ政府、出生率回復に向け本腰-ひとり親やLGBTQを支援 – Bloomberg https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-02-14/S8U085T1UM0W00 ) ↩︎
- Sustainability and depopulation: What drives toward antinatalism – YouTube (https://www.youtube.com/watch?v=zy3apkkEcmU) ↩︎
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